10月23日 からくり人形「のぼりんぼう」

  一宮から指導に来てくださった岩橋健作先生による、磁石付きばんそうこう、塩ビ製の水道管を用いたからくり人形「のぼりんぼう」つくりを行った。
  通常、重力で下に落ちていくものを目の当たりにしているが、今回の「のぼりんぼう」では、浮力とマグネットの力を利用し、塩ビ製のパイプの外側に付けた人形が、重力に逆らって昇っていく。  基礎的な原理を2つ混ぜ合わせた、面白い作品である。
  浮力や磁力によるちょっとしたマジックの世界に、参加した小学生は目を丸くしていた。
  自然法則に対し、大いに興味を持つきっかけになったことであろう。

10月9日 自動消灯する大型ライト実用品の製作(大成公民館)

  名古屋よりお越しいただいた絹村先生の指導により,自動消灯する大型ライトの工作を行った.

  市販の「押して点灯」、「もう一度押して消灯」のタッチライト(乾電池電源)を改造して、一度押すと約15秒間点灯した後に自動消灯するものを製作した。
  ライトのスイッチは,自動ロックを外し,押した間だけ通電するように,絹村先生が改造済み. 総勢20名の参加者らは,これにコンデンサと抵抗によるタイマー回路と,その電流を増幅するためのトランジスタを,大型ライト内に,はんだ付けで組み込んだ.
  電池ボックスの接触不良が少し見られたが,全員,期待通りの動作に成功した.これまで行ってきたトランジスタ回路の電子工作の賜物か,ほとんどの参加者は一発で正常に動作した.また,抵抗を並列で加えることで,タイマー回路の抵抗を下げると,点灯時間が短くなることを確認していた参加者も出た.論より証拠で,トランジスタの働きに感心していた.

  トランジスタを使うと,比較的簡単に実用的な作品を作れることを体験できた.今後の電子工作に対する興味が増したことであろう.また,実用品への応用・工夫の醍醐味を経験する,非常によい機会になった. 今後も,本科学教室を通して,学び続けてほしい.

7月24日、25日 みんなで楽しむ自作実験と発明工夫のつどい

 桑名市民会館にて、霜田東大名誉教授を招き、「みんなで楽しむ自作実験と発明工夫のつどい」を、2日間に渡り開催した。

 24日午前: 近隣の科学教室の助っ人講師陣による工作・実験教室が開催された。
磁石と浮力を利用した「昇るキラキラ星」、遠近感と目の錯覚を利用した「不思議な家づくり」、100円ショップで手に入れた拡大レンズを利用した「デジカメ用接写レンズづくり」、トランジスタ回路による「水一滴で反応する電子回路づくり」、岩塩割り、などを楽しんだ。

 いろいろな先生方の、物理的現象の創意工夫を感じながら、さまざまな工作を楽しんだ。

 24日午後:
① 服部秀男氏(金沢工大3年)によるロボットづくりの講演(第一部)
 世界ロボット選手権に出場した際の経験談を中心に、ロボットづくりの面白さ、大変さを熱弁。
 ドイツで行われた自立歩行ロボットによるサッカー大会のビデオや写真の説明があった。

 秀男君の思いが伝わったためか、小学生の参加者も、熱心に聞き入った。

② 霜田名誉教授考案の「光の三原色混合器」づくり
 赤、緑、青の各色のLEDを用い、光の合成が自由にできる合成器を、参加者が組み立てた。 
  
 全員無事に、完成でき、三原色の組み合わせで、いろいろな色ができることを、経験できた。

 ← 霜田名誉教授と、三原色混合器の作り方を参加者に教える服部秀男氏


25日午前: 服部秀男氏(金沢工大3年)によるロボットづくりの講演(第二部)
  前日に続き、ロボットづくりの解説を行った。今回は、ロボットの設計製作に関する苦労話や面白さを公演した。

 25日午後: 霜田名誉教授による講演「光とは何か?(人や動物の目のフシギ)」
  光の波と粒子の性質を併せ持つことを、わかりやすく説明した。また、目はなぜ光を認識できるかも、具体例を交えながら、説明した。



←: にこやかに講演する霜田名誉教授






その他の行事:
 自作実験; 虹を見るめがね、石を磨こう宝石や、空飛ブ「アルソミトラ」

 体験発表; 中部国際空港案内ボランテアが語る「ヒコーキ面白ものがたり」、
 ハンダ付け技能コンテスト; 最優秀賞:光風中学2年 林崇聖
 なお、本行事には伊勢新聞からの取材もあり、7月25日の紙面に掲載されました。

5月8日 ボルタの電池

生徒24名が参加し、ボルタ電池を各人で自作しました。
1円玉と10円玉の間に食塩水を浸み込ませた紙を入れ、電気を起こします。

前回までに製作した1石のトランジスタを用いた電子回路を駆動させ、
LEDを点灯させたり、メロディーICで音を出させたりしました。

初めて参加の子が7人いましたが、
電気を生じさせる化学的手法の代表的な原理、また、電気とはどのようなものかが、感じられたのではないでしょうか。

5月1日 暗くなると自動的に点灯する電子回路

 桑名市社会福祉会館にて、電子回路工作を行った。

 前回作ったトランジスタ回路に、CdS(電気抵抗が光の強さによって変化するフォトレジスタ。硫化カドミウム「Cadmium Sulphur」から成るためCdSと呼ばれる。日本では光電池とも呼ばれる)と可変抵抗を取り付けた。
 Cdsにより、トランジスタ回路のベース電圧が変化し、コレクタ側に取り付けたLEDの光の強さやブザーの音量が変化するものである。


今回は、電子回路の説明にも多くの時間を割いた。
1.トランジスタ
  エミッタ、コレクタ、ベース。 コレクタは+側に、エミッタは-側に、ベースは駆動制御するための電圧を導入するものである。
2.電気抵抗
  導体、不導体。水は不導体だが、塩を溶かすと導体に変わる。実際に、食塩水を用いて白熱電球の光の強さが変化することを実験した。
3.Cdsと可変抵抗器
  硫化カドミウムは、光の強さで電気抵抗が変化する。可変抵抗器は、炭素の巻き線が入っている。
 電子回路の基本を覚えるために、懸命にメモする生徒も多かった。一度で全てを理解することは困難だが、回を重ねていくうちに、自然と理解が進むことであろう。

 回路製作では、まず、1つのCdSを取り付けたものの、LEDの光量はほとんど変化しなかった。CdSをもう一つ追加し、抵抗の変化量を増した。その結果、2つのCdSを手で隠し暗くすると、LEDが点灯し、手をどかして明るくするとLEDが消灯するようになった。ブザーの音量も変化した。簡単な回路であるものの、暗くなったら自動的に光が出る装置ができた。

 難解と思われる電子回路も、少しづつ身近になっていくことでしょう。

水1滴で「光と音」が出る回路を紙基板に組む。


 4月24日 安藤先生指導で、水1滴で「光と音」が出る回路を紙基板に組みました。

 今回は前回とちがい、9Vの電池を使い、トランジスタも2個に増やした少し複雑な回路です。
トランジスタが2個になった事でセンサーの感度が上がり指でタッチしてもブザーが鳴り出します。


 ソケットを利用してトランジスタを2個取り付けますが、外で足を組む方法にしたので
足を根元から曲げて破損してしまう生徒が続出、今後の課題です。

 今回は抵抗を直列に6個並べ、ワニグチクリップで抵抗をはさみますが、場所により
ブザーの音が変わるので、それに興味を持ちいろんな所をはさみますが端子とちがう
所をはさんでみたりすると音が鳴らないと言いだしたり、見てておもしろいです。

  抵抗の先に長いリード線を半田付けして、水が付くと回路が働く様に改造して
おふろブザーにもしましたが、これだけではおもしろくありません。
出席者全員で輪になって手をつなぎ製作した回路のワニクチクリップを1人がさわり、
もう一人が抵抗をさわるとアラ不思議、なんと19人の手を伝って電流が流れブザーが鳴りました。

 途中で手をはなすと鳴りやむので、この時はみんなと一体になれました。

水1滴か指タッチでLEDが光る電子回路作り

 4月10日 安藤先生指導で、水1滴か指タッチでLED(発光ダイオード)が光る電子回路作りをしました。

 今日はラッキータウンテレビが取材に来ました。桑名市、東員町の人でケーブルテレビに加入していれば4月18日から24日まで7:00と13:00と23:00に15分間流れます。 お楽しみに。




 まず紙の上にLEDを取り付け、単3電池2個を直列に接続して、LEDが光る事を実験しました。回路は、トランジスター1石を使った簡単な回路で、ベース回路に抵抗を介して電流を流すとコレクターとエミッター間に電流が流れるという仕掛けです。
 完成した回路のベースの電流をON/OFFするとLEDがチカチカと点滅しました。次にLEDと並列に電子ブザーを取り付けました。LEDが光ると同時に音も鳴り、おもしろいです。
 ベース電流をON/OFFさせるのに、指で接点をON/OFFさせていたのではおもしろくないので、ここに長いリード線を半田付けして、水が付くと回路が働く様に改造しました。



 さて、実験するとLEDは光るがブザーが鳴らない生徒も出て来ました。これは水の抵抗だけだとベース電流があまり流れないので、ブザーを鳴らせるだけのコレクター電流が取り出せません。これは今後の学習課題となりました。
 ワニくちクリップで抵抗を差し替えると、ブザーも同時に鳴らす事が出来るヒントを与えたので、次の回が楽しみです。

3月27日 四日市工業高校の中瀬古 教頭先生指導で、モーターが回り、割り箸で作ったコースを走る”ライントレーサー”を製作しました。

 100円ショップで購入した新幹線のおもちゃの台車2台を使います。マイクロスイッチの接点でモーターをOFFさせる回路を組み込み、コースにそって走るロボットですが、マイクロスイッチとギヤボックスを使う方式は当会で初の導入となりました。


 回路は、マイクロスイッチがONするとモーターがOFFするB接点を使用し、同じユニットを2台並べた設計にしました。
 小型モーターへの電流をON/OFFする方法で、マイクロスイッチがONするとモーターが回り出すA接点と、マイクロスイッチがONするとモーターが止まるB接点の、話などを加えながら組み立てました。これまで学習したことのある子供から質問が飛び、B接点のスイッチはエスカレーターで使われているとの説明で見たことある、知っていると発言する場面もありました。
 モーターの先には、回転速度を低下させるギヤヘッドが付いており、タイヤのシャフトである竹ヒゴにはゴム管を介して回転力を伝えます。
 本体の裏側には、向かい合うように2個のマイクロスイッチがセットされています。車体が道となる割り箸に対して左右にずれると、このマイクロスイッチが働いた側のモーターが停止し、向きを変え、道から逸れないように進みます。

  コース内を走り回る姿はこっけいで、みんな楽しそうに走らせていました(割り箸をまたいで走る様はまるでモノレールの様です)。

 うまく走らない子もいましたが、マイクロスイッチの取り付け位置や角度を微調整すると、見事に割り箸の道一周を完走することができました。

2月13日 口笛に感じ(LEDの)光が踊り モーターが回る音センサー

 技術者が設計に使う「ブレッドボード」に、音センサーを組み込み、LEDの点灯やモーター駆動ができる電子回路を製作した。「(ソルダーレス)ブレッドボード」とは、各種電子部品やジャンパ線を差し込むだけで電子回路を組むことの出来る、はんだ付けが不要な、実験や評価や試作をするための基板のことである。電子回路を容易に組み換えたり、回路図を見ながら再組み立てしたり、また、今後の科学教室内での再利用も鑑み、初の導入となった。おそらく子供向けでは、初の試みと思われる。

 回路は、コンデンサーマイクと2つのトランジスタを用いて、LED、ミニ電球および模型用小型モーターへの電圧を制御するものである。電気抵抗の読み方や、電界コンデンサーやLEDの足の極性の話などを加えながら、組み立てた。これまで学習したことのある子供から、LEDのアノードやカソード、トランジスタのエミッタ・コレクタ・ベースなどを、挙手して説明する場面もあった。
 
 モーターの先には、回転の確認を容易にするための色つき円盤を取り付けた。これを羽根車のように折り曲げて、扇風機のようにして遊ぶ子供や、駆動モーターによる騒音を、マイクに近づけ、一度音を鳴らすとモーターが回り続けることを発見して遊ぶ子供などが表れた(いわゆるメモリー回路の基本概念である。子供の自発的創造はすばらしい)。
 ブレッドボードを用いることで、子供の自発的な「創意工夫」の活発化が電子回路においても容易になることであろう。基礎から応用への実践的取り組みを通じて、子供の科学する(自分の目で試行錯誤する)土壌を養っていきたい。